気分がすぐれず、やる気が出ない、夜眠れないなど、うつ病と適応障害にはよく似た症状が現れることがあります。しかし、いくつかの点で両者には違いがあり、治療方法も異なります。両者を鑑別するにあたり、重要なポイントを紹介します。
1、睡眠障害
うつ病では早朝覚醒が多く、適応障害では、早朝覚醒に限らず、入眠困難や中途覚醒など必ずしも早朝覚醒に限らないといった特徴があります。
2、気分の反応性の有無
うつ病では、良いことがあっても喜べない、悲しい頃があっても悲しめない、など、周囲の出来事に気分が反応しなくなることがあります。一方適応障害では、良いことがあれば気分が良く、悲しいことがあれば気分も悲しくなるなど、周囲に対し気分が反応することができます。良いことがあれば調子が良くなり、悪いことがあれば調子が悪くなるなどの症状があれば適応障害である可能性が高くなります。
仕事のある平日の朝は調子が悪いが、休日の朝は比較的調子が良い場合は、適応障害の可能性を疑います。
うつ病の場合は仕事がない休日も、状態が変化することはありません。
3、日内変動
うつ病では早朝、午前中の状態が悪く、夕方や夜比較的症状が軽くなるといった日内変動が特徴的です。このような日内変動が毎日続くこととなります。一方、適応障害では一定した日内変動があまりなく、日によってパターンが異なる傾向にあります。
4、生気的悲哀感
うつ病では、胸の辺りや体の一部に経験したことのないような違和感を感じることがあります。これを生気的悲哀感といい、午前中に体験することが多くあります。一方で適応障害では、生気的悲哀感は存在しません。動悸や頭痛と生気的悲哀感は性質が異なるものです。
うつ病は抗うつ薬などの薬物療法が非常に有効な疾患です。一方で適応障害は、薬物療法は対症療法であり、ストレスとなっている出来事から離れたり、ストレスに対する考え方を変えるなどストレスに対する耐性をつけていくことなどが重要となります。
両者の鑑別は容易ではありませんが、正しい治療のためには正確な診断が欠かせません。
調子が悪い日が続く場合は、心療内科や精神科を受診し、診断を受けることをお勧めします。